「漆喰といえば白い壁をイメージするけれど、白以外の色も選べるの?」「グレーやベージュなど、部屋の雰囲気に合う色にしたい」と考えていませんか。漆喰は白が基本ですが、製品によっては顔料を加えた色付きのものもあり、住まいのテイストに合わせて選べる場合があります。

ただし、同じ色でも自然光や室内照明、塗る面積、コテによる仕上げ方などによって見え方は変わります。小さな色見本だけで決めると、壁一面へ施工したときに「思っていた色と違う」と感じることもあるため、周囲の床や建具、家具との組み合わせまで考えることが大切です。

この記事では、漆喰の基本的な色、白以外に選べる色の種類、色の見え方を左右する要素、部屋に合わせた色選びのポイント、色付き漆喰で注意したいことを解説します。漆喰の風合いを生かしながら、自宅に合う色を選びたい人は参考にしてください。

漆喰は白以外の色も選べる


漆喰というと白い壁を思い浮かべる人が多いかもしれません。実際、消石灰を主原料とする漆喰は白が基本ですが、顔料を使って着色した製品もあります。ただし、選べる色や着色方法は製品によって異なります。まずは、漆喰が白い理由と、色付き漆喰の基本的な仕組みから見ていきましょう。

漆喰の基本となる白色

漆喰の基本色が白なのは、主原料である消石灰が白色だからです。着色していない漆喰は、原料そのものの色を生かした白を基調とする仕上がりになります。

ただし、「白」といってもすべて同じ色ではありません。製品の原料や配合によって、明るい白から少し黄みを含んだ白、落ち着いたオフホワイトまで色合いには違いがあります。

また、実際の壁では光の当たり方や周囲の床・家具などの影響を受けるため、サンプルで見た白と完成後の印象が同じとは限りません。「漆喰はすべて真っ白」と考えず、採用する製品の色見本を確認したうえで選ぶことが大切です。

顔料で着色した色付き漆喰

白以外の漆喰には、着色用の顔料を加えて色を付けた製品があります。顔料の種類や配合によって、ベージュ、グレー、ピンク、グリーンなど、さまざまな色合いを表現できます。

一方で、好みの顔料を自由に混ぜれば同じ仕上がりになるわけではありません。漆喰と顔料の組み合わせや配合条件は製品ごとに異なり、メーカーがあらかじめ色を設定している場合もあれば、一定の条件で調色や特注色に対応している場合もあります。

そのため、メーカーが設定している色や調色条件に沿って選ぶのが基本です。色を付けても漆喰特有のコテ跡や質感は残るため、色味だけでなく塗り壁ならではの風合いまで含めて検討するとよいでしょう。

漆喰で選べる主な色と部屋の印象

色付き漆喰にはさまざまな色があり、選ぶ色によって空間から受ける印象も変わります。ただし、同じ「ベージュ」「グレー」という名称でも、メーカーや製品によって実際の色味は異なります。

代表的な色系統の特徴を整理すると、次のとおりです。

色系統 空間の印象 合わせやすい内装
白・アイボリー系 明るく、すっきりとした印象 木製家具、無垢材、幅広いインテリア
ベージュ・イエロー系 やわらかく、温かみのある印象 木目の床、ナチュラル系の家具
グレー系 落ち着いた、すっきりした印象 白・黒の家具、木製家具、書斎など
ピンク・グリーン系 個性やアクセントを加えやすい アクセントウォール、淡色の家具・建具

色名だけで完成後を想像するのではなく、実物の色を基準に考えることが大切です。ここからは、それぞれの色系統について詳しく見ていきましょう。

白・アイボリー系の明るい印象

白やアイボリーは、漆喰の中でも取り入れやすい色です。白系の壁は光を受けることで明るく見えやすく、すっきりとした空間に仕上げたい場合にも合わせやすいでしょう。

木製家具や無垢材の床とも組み合わせやすく、和室から洋室まで幅広いインテリアになじみます。一方、明るい白では少し強く感じる場合もあるため、やわらかな雰囲気を好むならアイボリーやオフホワイトも選択肢です。

白にわずかな黄みやグレーが加わるだけでも、壁から受ける印象は変わります。白系で迷った場合も色名だけで決めず、候補となる色を並べて比べると違いがわかりやすくなります。

ベージュ・イエロー系の温かみ

ベージュや淡いイエロー系は、白よりもやわらかく、温かみを感じやすい色です。木目の床や家具ともなじみやすいため、自然素材を取り入れたリビングや寝室などにも合わせやすいでしょう。

淡い色であれば壁全体へ施工しても主張が強くなりにくく、白い天井や建具とも組み合わせやすくなります。一方、黄みやブラウンが強くなるほど壁の存在感も増すため、広い範囲へ使う場合は慎重に選びたいところです。

床もベージュやブラウン系の場合、似た色を重ねすぎると部屋全体がぼんやり見えることがあります。壁と床で明るさに少し差を付けるなど、空間全体のバランスを見ながら決めるとまとまりやすくなります。

グレー系の落ち着いた印象

グレー系の漆喰は、白よりも落ち着いた雰囲気をつくりやすく、白や黒の家具、木製家具などとも合わせやすい色です。リビングや書斎など、すっきりとした印象に整えたい部屋にも取り入れられます。

ただし、一口にグレーといっても、青みのある色と黄みのある色では印象が異なります。光の種類や周囲の建具によっても見え方が変化するため、カタログに記載された色名だけでは完成後を想像しにくい色の一つです。

濃いグレーを広い壁へ使うと存在感が出やすいため、最初は壁一面のアクセントとして採用する方法もあります。色の濃さだけでなく、部屋の広さや家具との組み合わせも踏まえて選びましょう。

ピンク・グリーン系のアクセント

淡いピンクやグリーンなどの色付き漆喰は、部屋へ個性を加えたいときの選択肢になります。壁全体へ施工するだけでなく、一面や一部分へ使うことで、空間のアクセントとして取り入れることもできます。

ピンク系は色味によってやわらかな雰囲気から落ち着いた印象まで幅があり、グリーン系も明るさや黄みの程度によって見え方が変わります。用途を色だけで決めず、実際の色合いやほかの内装材との相性を見ることが大切です。

白以外の色を壁へ取り入れる場合は、カーテンや家具を替えたときの組み合わせも考えておきたいところです。長く使う予定なら、将来の模様替えも見据えて色の濃さを選ぶとよいでしょう。

漆喰の色の見え方を左右する要素


色見本を見て気に入った色を選んでも、実際の壁では印象が違って見えることがあります。漆喰の色は、材料そのものだけで決まるわけではありません。自然光や照明、施工する面積、表面の凹凸、乾燥状態なども見え方に関係します。完成後に「イメージと違った」と感じないために、色を左右する要素を押さえておきましょう。

自然光と室内照明による違い

壁の色は、当たる光によって見え方が変化します。同じ漆喰でも、日中の自然光で見る場合と、夜に室内照明だけで見る場合では、明るさや色味の感じ方が異なることがあります。

さらに、朝日が入りやすい部屋、西日が差し込む部屋、日中も光が入りにくい部屋では、同じ色を採用しても印象は同じになりません。照明も、暖かみのある光と白っぽい光では、壁から受ける印象が変わります。

色を選ぶ際は、明るい場所で色見本を1度見るだけで決めず、実際に施工する部屋で候補を比べることが大切です。昼と夜の両方で見ておくと、完成後とのずれを減らしやすくなります。

施工面積による色の見え方

数cm程度の小さな色見本と、壁一面に施工した状態では、同じ色でも受ける印象が異なることがあります。面積が広がるほど、その色が視界に占める割合が大きくなるためです。

特にグレーやピンク、グリーンなど、白以外の色を広い範囲へ使う場合は注意したいところです。小さな見本では控えめに感じた色でも、壁全体では存在感が強くなる場合があります。

反対に、淡い色は周囲の床や家具となじみ、見本で見たときほど色味を強く感じないケースもあります。施工面積によって印象が変わる可能性を考え、壁全体に近い状態を想像しながら候補を絞りましょう。

コテ模様や凹凸による陰影

漆喰は、コテなどを使って表面を仕上げる塗り壁です。同じ材料・同じ色であっても、平らに近い仕上げと、コテ跡や凹凸を残した仕上げでは光の当たり方が変わります。

凹凸がある壁では、光が当たる部分と影になる部分が生まれるため、1色で塗られていても濃淡があるように見えることがあります。こうした陰影は、乾燥条件や塗り厚などによって生じる色ムラとは異なり、仕上げ方によって生まれる漆喰ならではの表情です。

そのため、漆喰では色だけでなく仕上げ模様も一緒に考える必要があります。希望するコテ模様を施した塗り見本や施工事例を見ると、完成した壁の印象を想像しやすくなるでしょう。

乾燥前後による色の変化

施工直後の漆喰は水分を含んでいるため、十分に乾燥した後とは色の見え方が異なる場合があります。塗った直後だけを見て「濃すぎる」「思っていた色と違う」と判断せず、製品ごとに示された乾燥時間を経てから確認することが大切です。

また、壁全体がまったく同じ速度で乾くとは限りません。風が当たりやすい場所や塗り厚が異なる部分などでは乾燥速度に差が生まれ、施工途中に一時的な濃淡が見えることもあります。

最終的な色を判断するときは、十分に乾いた状態で壁全体を見るようにしましょう。施工途中の色を完成時の色と混同しないことも、余計な不安を避けるポイントです。

漆喰の色選びで押さえたいポイント

好きな色が見つかっても、その色だけを見て決めるのはおすすめできません。漆喰は壁の広い範囲を占めるため、周囲の内装との相性や実際の部屋での見え方まで考える必要があります。色選びでは、主に次の3点を意識しましょう。

候補を少しずつ絞り、できるだけ完成後に近い条件で比べていくことが大切です。

床・天井・建具との組み合わせ

壁は部屋の中で大きな面積を占めますが、単独で目に入るわけではありません。床や天井、ドア、窓枠などの建具と隣り合うため、周囲の色との組み合わせが部屋全体の印象にも影響します。

たとえば、木目がはっきりした床へベージュ系の漆喰を合わせる場合は、床と壁の色味が近すぎないか見ておきたいところです。グレー系も、建具の色や素材との組み合わせによって印象が変わります。

壁だけの色見本を見るのではなく、床材や建具のサンプルと一緒に比べると相性を判断しやすくなります。既存住宅のリフォームなら、実際の床やドアの近くへ見本を置いて比べてみましょう。

部屋の用途とインテリアとの調和

色を選ぶときは、どの部屋へ施工するのかも考えておきましょう。家族が集まるリビング、落ち着いて過ごしたい寝室、来客の目に入りやすい玄関では、つくりたい雰囲気が異なります。

すでに使用している家具やカーテンとの相性も大切です。壁を空間のアクセントにしたいなら少し色味のある漆喰を選び、家具や絵を引き立てたいなら控えめな色にするなど、何を目立たせたいかを先に考えると候補を絞りやすくなります。

将来的な模様替えも考えるなら、壁は長く合わせやすい色にして、カーテンや小物で変化を付ける方法もあります。今の好みだけでなく、数年後にも使いやすいかという視点を加えてみてください。

大きめの色見本や試し塗りでの比較

前述した光や施工面積による見え方の違いを踏まえ、候補を絞ったら実際の部屋に近い条件で色を比べましょう。パソコンやスマートフォンの画面は、明るさや画面設定によって表示色が変わるため、最終判断には実物の見本が向いています。

可能であれば、大きめの塗り見本を実際の部屋へ持ち込み、壁の近くに置いて比べてみてください。床や建具との相性も同時に見られるため、完成後のイメージをつかみやすくなります。

試し塗りに対応している施工会社であれば、候補の色や仕上げ方を実際に見せてもらう方法もあります。色だけでなくコテ模様まで含めて比較できると、施工前に希望を共有しやすくなります。

色付き漆喰を選ぶ際の注意点


色付き漆喰は、白い漆喰とは異なる雰囲気を楽しめる一方、施工時の色ムラや補修時の色合わせにも注意が必要です。希望する色がすべての製品で選べるわけでもないため、完成時だけでなく将来の補修まで考えておきましょう。

注意点 起こりやすいこと 事前に確認したいこと
施工時の色ムラ 塗り厚や乾燥状態によって濃淡が見えることがある 施工事例や塗り見本
補修時の色差 同じ材料でも補修部分だけ色が違って見える場合がある 部分補修・壁一面の塗り直しの方法
対応できる色 希望する色を選べない製品もある 標準色・特注色・調色の対応範囲

こうした違いを踏まえ、色ムラ、補修時の色差、製品ごとの対応色について順番に確認していきましょう。

色付き漆喰で生じる色ムラ

顔料を使った色付き漆喰では、施工条件によって色ムラが見える場合があります。材料の混ざり方や塗り厚、乾燥の進み方などに差があると、壁の一部が周囲より濃く、または薄く感じられることがあるためです。

一方、コテ模様による陰影と、施工条件によって生じる色ムラは別のものとして考える必要があります。漆喰らしい自然な表情をどこまで好むかによっても、完成後の受け止め方は変わるでしょう。

均一な色合いを希望する場合は、色付き漆喰の施工経験がある業者へ希望を具体的に伝えておくことが大切です。施工事例や塗り見本を見ながら仕上がりを共有しておけば、完成後に「イメージと違った」と感じるリスクを抑えやすくなります。

補修部分と周囲の色差

漆喰壁に傷や欠けが生じた場合、状態によっては部分的に材料を塗って補修できます。ただし、色付き漆喰では、新しく補修した部分と既存の壁で色が完全にそろわない場合があります。

施工から時間が経った壁は、日光や汚れなどの影響によって、施工直後とは見え方が変わっていることがあります。そのため、同じ製品や同じ色を使ったとしても、新しく塗った部分が周囲から浮いて見える可能性があります。

小さな傷であれば補修跡を壁の風合いとして受け入れられる場合もありますが、色をできるだけそろえたいときは、壁一面の塗り直しが適するケースもあります。将来の補修方法について、施工前に確認しておくと安心です。

製品ごとに異なる対応色

漆喰で選べる色は、メーカーや製品によって異なります。白を中心に展開している製品もあれば、複数の標準色や特注色を用意している製品もあるため、「漆喰ならどんな色でも自由につくれる」とは限りません。

グラフェンストーンの「ナチュラルグルー プレミアム」は原色がオフホワイトで、公式のカラーチャートには、グレー、グレーイエロー、グレーブルー、ライトイエロー、イエローブラウン、ベージュ、ベージュピンク、ライトピンク、ライトグリーンなどが掲載されています。

実際に選べる色や調色への対応は、採用する製品や施工条件によって確認が必要です。カタログや画面だけで決めず、可能な限り実物の色見本を見てから選ぶと、完成後のイメージとの差を抑えやすくなります。

まとめ | 漆喰の色は部屋全体との調和を考えて選ぼう

漆喰は白が基本ですが、製品によっては顔料を使ったベージュやグレー、ピンク、グリーンなどの色付き漆喰も選べます。ただし、同じ色でも自然光や室内照明、施工面積、コテ模様によって見え方が変わるため、小さな色見本だけで判断しないことが大切です。床や天井、建具、家具との組み合わせも考え、大きめの塗り見本や施工事例を参考にしながら選びましょう。色付き漆喰は施工時の色ムラや補修時の色差が出る場合もあるため、施工前に希望する仕上がりを共有しておくと安心です。

漆喰の色や仕上がりで迷っている方へ

ファイン.住宅では、スペイン本漆喰「グラフェンストーン」を使った内装施工を行っています。漆喰の色や仕上げ方に迷っている場合も、お部屋の床や建具、インテリアとのバランスを見ながらご相談いただけます。

今の住まいに合う漆喰の色を検討したい方は、お気軽にお問い合わせください。

漆喰の色・仕上がりについて相談する